一般的に注文住宅は値引き交渉は難しいと言われていますが、交渉次第で十分値引き交渉は可能です。
相場感としてはハウスメーカーで3〜10%, 工務店で1〜3%程度の値引きができます。
ここでは、私の経験も踏まえて具体的な値引き交渉術について紹介します。
是非この記事を参考にしていただき、少しでもいい家を安く購入できるようにがんばりましょう。
1. 価格交渉の相場感
まず一般的な注文住宅の値引き額に対する相場感としては、ハウスメーカーで3〜10%, 工務店で1〜3%程度です。
少なく感じるかもしれませんが、元の価格が非常に高額なので、0.5〜1%違うだけで高級家具を買えるくらいの差がでてきます。
一般的にはハウスメーカーのほうが値引き額が多く、工務店のほうが値引額は少ない(場合によっては値引き自体ができない)ケースが多いです。それぞれの特徴をまとめると以下のようになります。
<ハウスメーカーの特徴>
- 元々の提示額を高く見せておいて、割引する前提で価格設定しているケースがある
- 決算時期などは今年の業績に直結するため、いつも以上に値引きに応じてくれる場合がある
- 従業員割引や紹介等で高額な割引キャンペーンをやっているメーカーもある
<工務店の特徴>
- 元々の提示額に 利益をあまりのせていない
(地域密着型の工務店が多く、人によって値引額を大きく変動させてしまうと信用を失ってしまうため)
私の経験では、某大手ハウスメーカーの場合、最初の見積もり時点で250万程度値引きがついていました(キャンペーンなど)。そこから交渉し、さらに250万以上値引きしてもらえるところもありました。
一方で、地元の工務店の場合、最初のときから「うちは値引きは一切やってません」と言ってくる所もありましたし、端数をきってもらって30〜50万程度安くしてもらえれば、うまくいったほうだと思います。
2. 価格交渉時のポイント
まず最初に、価格交渉をする際のポイントについてお伝えします。
価格交渉を行う大事な局面として、大きく以下のシーンがあります。
- 仮契約を行うとき
- 本契約を行うとき
その中で、価格交渉を行う上で大事なポイントは、以下の内容になります。
- 価格交渉は契約の直前に行う(仮契約/本契約)
- 相見積もりの結果を効率よく使う(仮契約)
- 歩み寄り感を見せる(仮契約/本契約)
- 予算をうまく引き合いに出す(仮契約/本契約)
- 過度な価格交渉はしない(仮契約/本契約)
以降では、それぞれのシーン毎により詳細な内容について説明していきます。
3. 仮契約時におけるポイント
3.1 仮契約の位置づけ
まず仮契約をする状態がどういう位置づけかと言うと、ハウスメーカーや工務店に要望を伝え、プラン+概算金額を提示してもらった状態、それより先の工程に進むためには、手付金 or 着工金(50〜200万程度)が必要になる状態です。
我々オーナーの視点で考えると、「仮契約をするとそれなりの金額を支払うことになるため、自分たちにとって最適なメーカーなのかを慎重に考えて判断しなければ」という状態です。
一方で、ハウスメーカーや工務店の視点からすると、「お客様が自社と契約してもらえるか、他社に逃げられてしまうかの瀬戸際」という状態です。
そして仮契約さえ結んでしまえば、客も手付金や着工金を支払ってもらうため、他社に逃げられるリスクは一気に低減することを意味します。
裏を返すと、仮契約を結ぶタイミングこそが、値引き交渉における最も重要なタイミングなのです。
3.2 仮契約時の交渉ポイント
仮契約で価格交渉を行う上で大事な考え方は、
「このままでは大事なお客様を逃してしまう/他社に取られてしまう」と思わせることです。
仮契約に至るまで、ハウスメーカーや工務店は、それこそ会社紹介や見学会の調整、プラン作成、見積もり作成など、多くの時間をお客さんに費やしています。
そのお客さんがいい人であればあるほど、「この人に是非自分のお客になってもらいたい」という思いも重なり、より思い入れが強くなります。
しかし仮契約を結べなかった場合、それが一瞬にして水の泡になることになります。
その心境を逆手にとって交渉するのが効果的です。
そのために重要なポイントは、前述した以下のポイントです。
- 相見積もりの結果を効率よく使う
- 歩み寄り感を見せる(仮契約/本契約)
- 予算をうまく引き合いに出す
- 過度な価格交渉はしない
以降では、それぞれについてより詳しく説明します。
3.2.1 相見積もりの結果を効率よく使う
相見積もりとは、他社で取ってもらった見積もりを提示して、より安くしてもらうための方法です。
人によっては良心が痛む場合もあるでしょうが、背に腹は変えられないため、他社でとってもらったプランや見積もり内容は、どんどん開示して交渉に使いましょう。
(時々「弊社では他社の見積もり内容は見ないようにしています」と善良なメーカーさんもいらっしゃいますが、そういう場合は無理に提示しなくて大丈夫です)
「他社に逃げられてしまう」という気持ちを煽るのが大事なので、
「他社のいいところ(機能、性能、値段)」をどんどん伝えるともに、「本当にどっちにしようか悩んでいる」という印象を抱かせるのが大事です。
気をつけてほしいのは、あまりに戦略が違うメーカー同士で比較しないことです。
例えば、ローコストを売りにしている格安のメーカーと、高性能を売りにしているハウスメーカーの見積もりを比較しても、ローコストのメーカーの方が安いのは明らかです。
それよりも、高性能をウリにしているメーカー同士で比較するなど、競合と言えるメーカーと比較するのが大事です。
あともう一つ気をつけてほしいのは、「他社は○○万円値下げしてくれたんだけど」という言い方です。
最初にも述べたように、最初から値引額も含めた価格設定にしているメーカーがいたりと、値引額はあまりアテになりません。おそらく、「弊社は最初から最大限の値引きも含めた価格設定にしておりますので」と言われて終わってしまうと思います。
それよりも、「プラン内容+機能面+性能面に対して、他社と比べて価格がどうか」という視点で交渉したほうが、相手も話を聞いてくれると思います。
3.2.2 歩み寄り感を出す
値引き交渉をする際、一方的に「とにかく値引きしてくれ」というスタンスで臨むと、
相手の印象も悪くなってしまい、うまく行かないケースが多いです。
そこで上手く活用してほしいのが、「歩み寄り感を出す」という方法です。
言葉だけ聞いてもピンとこないと思いますが、ようは「こちらも努力してるんだから、そちらも もう少し頑張ってくれませんか」というオーラを出すことです。
例えば、以下のようなケースです。
- 要望している機能を減らす(太陽光発電の機能をなくす/2Fのトイレをなくす など)
- 要望しているグレードを少し下げる(使用する外壁材や床材を安いものに変える など)
ここで気をつけてほしいのは、
- 「あったらいいな」というものと、「ないと困る/ここは拘りたい」というポイントはちゃんと分けておき、「あったらいいな」の機能や性能を減らすことです。
- ただハウスメーカーや工務店と会話する際には、「あったらいいな」の機能や性能も、「本当だったらすごく欲しいんだけど、予算の関係で泣く泣く削るしかない」というスタンスで喋るようにしてください。
- そうすることで、「お客様もいろいろ安くできるようがんばってくれてるから、こちらも少しでも値引きしてあげたい」と思わせることができます。
3.2.3 予算をうまく引き合いに出す
価格交渉で一番大事なのはこの部分です。
予算を超えてしまっては、契約のしようがないため、「予算を超えてしまうので契約できません」と言われると、ハウスメーカーや工務店としてはどうしようもないからです。
ただし難しいのは、家はローンで契約するのが大半のため、「予算をいくらに設定するか」というのが一意に決まらないことです。
そこで大事なのが、「予算をいくらで設定するか」なのですが、大きな考え方は以下になります。
- 本当の予算に対して、余裕のある金額を提示すること
- ハウスメーカーや工務店の値引き後価格の見込み値よりも、少し下の予算に設定すること
①については、まず自分たちとして払える正しい予算を把握することから始めます。
予算の正しい把握の仕方は、詳しくはこちらでお伝えしてますので参考にしてください。
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家を建てようと思った時にまず大事なのが、無理のない資金計画を立てること。 しかし、初めて家を建てる時、そもそも予算をどの程度かけていいのか、どういった出費があるのかすら分からないものです。 そこで、ここでは私が大事だと思う以下の[…]
正しい予算を把握したら、それに対してだいぶ余裕を持った金額をハウスメーカーには提示するようにしてください。
例えば、自分の中で予算を5000万と決めた場合は、ハウスメーカーに最初に提示するのは「予算は4000万が限度です」と伝えておくのです。ハウスメーカーによっては、「お客様の年収ならもっと予算あげても大丈夫です」と言ってくる場合も多いですが、そこは「現時点ではこれ以上は出せません」と言い切れば大丈夫です。
②については、ハウスメーカーや工務店が出してくる見積もりに対して、ここまでは下げてくるだろうという金額よりも少し下(数百万程度)の金額に設定することです。
大手のハウスメーカーであれば、ネットで検索すれば大まかな値引き額の相場は出てくると思います。そのため、初期の見積もりが5000万、ネットで調べた値引きの相場額が200万だった場合、予算を4500〜4700万程度に設定するのです。
①②をふまえて交渉をしていくと、最終的にこちらが提示した予算額+αの見積もりが出てくると思います。
そこからが交渉の最後の頑張りです。
まずは「予算を超えているのでこのままだと厳しい。もう少し安くできませんか?」というアプローチをしつつ、どうしても厳しそうなら一旦持ち帰って検討する(振りをする)のも有効です。
次回の打ち合わせで、「こちらももう一度予算を見直してみて、+○○まではなんとかしようと思うので、本当にこれが限界です。そちらももう少し安くしてもらえないでしょうか。」と、前述の歩み寄りの考え方を駆使して、最後の交渉をがんばりましょう!
3.2.4 過度な価格交渉はしない
最後に気をつけてほしいのが、「過度な価格交渉はしない」ということです。
注文住宅というのは、デザインや機能面などによる価格も確かに大きいですが、
「耐震性能」「機密性」「断熱性能」といった、目に見えない部分も非常にコストがかかります。
そのため、あまりに無理な価格交渉をしてしまうと、
こういった「目に見えない重要な性能」をこっそり下げられる可能性があるからです。
それでは、せっかく念願の注文住宅を建てたのに、寒い・暑い・地震に弱い家ができてしまっては元も子もないため、注意してください。
また、過度な交渉はハウスメーカーや工務店との間で溝も生んでしまい、その後のマイホーム計画もやりづらくなってしまうため、あくまでハウスメーカーや工務店の立場も考えつつ、無理のない交渉をするよう心がけてください。
4. 本契約時におけるポイント
本契約のときは、仮契約時点の合意価格をベースとして、
「仮契約時点の前提仕様から変わった内容」が追加で加算されることになります。
(増えることはあっても、減ることはほとんどないと思います)
そのため、その価格の増加分が最後の価格交渉の対象となります。
とはいえ、本契約についても価格交渉における基本的な考え方は仮契約の時と同じです。
これ以上価格を下げてもらうことが難しそうであれば、最後に
- 相見積もりの結果を効率よく使う
- 「これだけサービスでつけてくれませんか?(数千円〜数万程度のオプション品)」
- 「この販促品をもらえませんか?(or 多めにもらえませんか?)」
- 「ここの価格の端数だけ切ってもらえませんか?(数千円〜数万程度」
といった最後の交渉に臨みましょう。
ここまで交渉をやり切れれば、トータルとして満足する値引き交渉を実現できると思います。
5. 最後に
いかがだったでしょうか?
価格交渉については、かなりその人の性格も色濃く出る部分のため、
苦手な人は本当につらい行為だと思います。
特にハウスメーカーや工務店の担当者が困っているところを見ると、「向こうも困ってるし、これ以上はいっか」とどうしても考えてしまうと思います。
ただ、ここでの交渉結果で数万〜数十万、下手すると数百万のレベルで最終価格が変わってきます。
一生で最も高い買い物なので、悔いのないよう頑張っていただきたいなと思います。
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