注文住宅を建てる上で、おそらく一番難しいのが土地探しです。
なぜなら、建物は良いハウスメーカーに巡り合うことができ、十分な予算さえあれば、自分たちにとって100点に近い建物を建てられますが、土地は運の要素が大きいからです。
駅からの距離、土地の広さ、周辺施設など、考慮すべきポイントが非常に多いことに加え、良い土地が出てきたと思った時には別の人が先に買ってしまうということが、当然のようにおきます。
そこで、どうすれば自分にとって少しでも良い土地をみつけられるかについて、私の経験談を踏まえて説明していきたいと思います。
この記事では、実際に土地探しを始める前に、まずはこれだけは押さえておきたい/知っておいてほしいことについて、紹介していきます。
1. 土地のこだわりポイントを明確にする
まず一番大事なことは、自分のこだわりポイントを明確にした上で、それらを全て優先順位付けすることです。そして、自分にとって70点以上の土地に出会えたら、迷わず即決することです。
なぜなら、自分にとって100点の土地というものは、まず手に入らないからです。
場所にもよりますが、人気が高いエリアはそもそも土地自体があまり出てきません。その中で自分の希望に100%一致する土地というのはほぼありません。
また、万が一あったとしても、自分より先に業者や他の人に先を越されることも多いです。
そのため、自分のこだわりポイントの中でも、
- 絶対ゆずれないポイント
- できるだけこだわりたいポイント
- あればいいなというレベルのポイント
という形で順位付けして、①の条件を満足する+トータル70点以上と思えるようであれば、即決するくらいの意気込みで探すようにしましょう。
知らなきゃ損:土地のこだわりポイント
「どういうポイントがあるかも分からない」という方のために、土地のこだわりポイントとしてよく挙げられる項目を紹介します。私なりの見解&注意点も記載していますので、参考にしてください。
こだわりポイント | 説明&注意点 |
価格 | 最も重要なポイントの一つが、やはり土地の価格です。ただし後述しますが、土地の形状等によって造成費など別の費用が発生することもあるため、開示されている価格だけで判断せず、トータル費用で見積もるようにしてください。 |
土地の広さ | ある程度広いほうがいいですが、広すぎるとその分土地価格もあがるため、自分にとって広すぎず&狭すぎずという広さを選びましょう。土地形状によりますが、駐車場3台分+適度な建物面積を確保しようと思うと、45〜50坪程度の土地面積があるといいです。(駐車場2台であれば35坪〜でもOKです) |
土地の形状 | 綺麗な四角形/平面の土地が理想的ですが、その分土地価格も上がる傾向にあります。 また坂道になっている土地や、高台になっている土地などは、土地本体価格は安い反面、造成費用(土地を平にするための費用)などがかかりますし、平面でも形状がいびつだと、建物を設計するのに苦労する可能性があります。そのため、ハウスメーカーとも相談して決めるようにしましょう。 |
日当たり | 南側に遮蔽物がない土地は、日当たりが良い反面、土地価格も上がる傾向にあります。また、今は日当たりがよくても、将来的に建物が立って悪くなる可能性もあるため、慎重に選びましょう。 |
接道の方角 | 一般的に南向き道路が最も土地価格が高い傾向にありますが、どの方角に道が接しているのがいいかは、人の考え方にもよります。 南向き道路の場合、お庭も南向きになることが多いので、人目が気になるというデメリットもあります。南北に長い土地で、南向きに十分なお庭のスペースを取れるのであれば、北側道路のほうが安くて日当たりもいい家を建てられる可能性もあります。 |
実家との距離 | 親の資金援助がある場合や、親と仲がいい方の場合など、実家の近くに家を建てたいという方もいるかと思います。この条件があるとかなり対象範囲が絞られてくるため、少しでも気になった土地が出てきた際は即決できるように、事前調査&心の準備をしておきましょう。 |
最寄駅/ 駅までの距離 |
便利な路線であるほど/駅に近いほど土地価格は跳ね上がる傾向にあります。逆に、駅からの距離が遠い土地であれば値段も下がります。
ただ、値段を優先して駅から遠い土地を買ってしまうと、電車通勤できなくなってもう一台車が必要になったり、お子さんが自宅から学校に通えず下宿生活を余儀なくされたりと、トータルでみると高くついてしまう可能性もあるので注意しましょう。 |
スーパーやコンビニまでの距離 | スーパーやコンビニも近いほうが便利ですが、意外となんとかなる部類な気がします。散歩のついでに買い物したり、車や自転車で買い物に行くこともできるため、近ければいいな位で考えても良いかと思います。 |
街並みの雰囲気 | 閑静な住宅街に憧れる方は、土地周辺の雰囲気も気にされると思います。ただ閑静な住宅街は、駅から離れていることも多いため、総合的に判断をしましょう。 |
保育園/幼稚園/学校 | 家の近くに保育園や学校があるかも重要なポイントです。特に小学校/中学校については、土地が決まれば自動で学区も決まってしまうため、少しでもお子さんをいい学校に通わせたい方は、事前に学区も調べた上で土地を探すようにしましょう。 |
正面道路の道幅 | 正面道路の道幅が狭いと、対向車とのすれ違いや駐車で苦労することになります。 また、道幅が4m以下の場合、セットバック(後述します)が必要になります。(詳しくは後述)もう一つ落とし穴なのが、道幅が狭いと 建物を建築するときにクレーン車を止めることができず、特殊な設備が必要(100万程度余分に費用が発生する)になるというデメリットもあります。 |
地盤の強さ | 地震が多い日本では、とても大切な要素です。地盤の強さについては、市や区がハザードマップで公開しているため、必ず目を通すようにしましょう。 |
水捌けの良さ | 最近大雨や津波などによる水害が大きく取り上げられているように、水捌けの良さも非常に大事です。こちらも市や区がハザードマップで公開しているため、必ず目を通すようにしましょう。 |
個人的に絶対重視したほうがいいと思うポイントは、「価格」「地盤の強さ」「水捌けの良さ」です。
特に後半の2つは、他の項目と比べて恩恵を感じづらい(かつ自分で調べないと気付きにくい)ため、ないがしろにしてしまいがちですが、どんなに良い土地&家であっても、自然災害で被災してしまっては、元も子もありません。
後になって後悔しないように、自分にとって絶対こだわりたいポイントを明確にして、NGの土地に手を出さないようにする&欲しい土地がでてきたときに買い逃すことがないようにしましょう。
2. 土地に関する情報を理解する
実際に土地を探そうとした際に、そもそも書いてある情報が理解できなかったら意味がありません。
そこで、ここでは土地情報を調べる上で覚えておいてほしいことを説明します。
項目 | 説明 |
土地面積(坪) | 土地の広さを表す情報で、1坪=3.305785㎡ (1辺1.82mほどの正方形相当の広さ)です。 もっとわかりやすく言うと1坪=畳2帖分に相当します。※土地を探し始めたときは全くピンとこないと思いますが、実際の土地と坪数をいくつか見比べている間に、徐々に感覚としてわかるようになってくると思います。 |
坪単価 | 1坪あたりの土地の値段を表し、坪単価✖️坪数 = 土地の値段となります。
坪単価は、駅からの距離などにより、エリア毎にだいたい相場が決まっています。周りの土地と比べて坪単価が安い場合、訳あり物件(急斜面の土地である/土地形状がいびつである/正面道路が非常に狭い など)の可能性が高いため、慎重に選ぶようにしてください。 |
建蔽率 | 「敷地面積(建物を建てる土地の面積)に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合」を表します。一般的な土地であれば60%程度であることが多いです。
建蔽率が30%など低い値に設定されている場合、土地形状がいびつだったり、急斜面の土地だったりする可能性が高いので、注意しましょう。 |
容積率 | 「敷地面積に対する3次元空間(各階の延べ床面積)の割合」を表します。一般的な土地であれば、150〜200%であることが多いです。
容積率が80%など低い値に設定されている場合、土地形状がいびつだったり、急斜面の土地だったりする可能性が高いので、注意しましょう。 |
建築条件 | ハウスメーカーが買取済みの土地で、そのハウスメーカーでしか建てられない土地になります。 お気に入りのハウスメーカーがある場合、「建築条件なし」の土地を探すか、そのハウスメーカーが扱っている建築条件付きの土地を探すようにしましょう。 |
地目 | 地目はその土地の目的や現状を表したもので、地目によっては家を建てられない場合があります。地目:宅地になっていればまず問題ありませんが、それ以外の地目になっているものは、家を建てられるのか不動産屋ハウスメーカーに必ず確認するようにしましょう。 |
土地の権利形態 | 土地の権利として、所有権/借地権の2種類があります。借地権はあくまで土地を借りることに該当するため、所有権に該当する土地を探すようにしましょう。 |
土地状況 | 更地 or 古家ありのどちらかになります。その時点で古家がある場合でも、解体して更地の状態で引き渡してくれる場合もあります。 (古家ありの状態で引き渡しすると、埋没物などの扱いでリスクがあるため、極力更地渡しにしてもらえるように交渉しましょう) |
セットバック | 土地の正面道路の道幅(幅員)が4m以下の場合に適用されるもので、道路の中心線から2mの範囲には建物や門柱などの建造物を建てられないという決まりです。
緊急車両などが通行できるように道幅は4m以上確保する必要があり、古い道路など道幅が4mに満たない場合、その分後退(セットバック)する必要があるため、注意が必要です。 |
市街化調整区域 | 市街化を抑制する地域のことで、人が住むために必要な一般的な住宅や商業施設などを建築することが原則として認められていません。そのため、一般的な宅地よりも資産価値は低く、販売価格もかなり安くなります。
ただし、ある特定の条件を満たす場合に限り、例外的に家を建てられるケースがあり(過去その土地に家が立っていたことがある 等)、その場合は販売価格も一般的な宅地相当となることも多いです。 |
知らなきゃ損:建築条件付き土地の落とし穴
土地情報を調べていると、「あ!安くて良さそうな土地見つけた」と思ったら、「建築条件付き」だったということがよくあります。
ハウスメーカーとしても、「この土地ならお客が買ってくれる」という土地を選んでいるので、比較的いい土地が多いのは事実なのですが、価格面については注意が必要です。
なぜなら、建築条件付きの土地は相場より安く値段設定されていることが多いからです(相場より100〜300万程度安いケースもある)。
ハウスメーカーとしては建築条件付きの土地を買ってもらえれば、そのまま建物の成約にも繋がります。数多くあるハウスメーカーから自分たちの会社を選んでもらうことは非常に大変ですが、建築条件付きの土地の場合、ハウスメーカーは自動的に1社に絞られるわけです。
そこで、土地の値段を相場より少し安く設定して、建築条件付きの土地でお客と契約した上で、その分建物側の値段を少し上乗せして回収しようとするのです。
(ハウスメーカーとしては、土地+建物のトータル金額で回収するため、土地と建物の比率は関係ない)
そのため、建築条件付きの土地を選ぶ場合、土地の値段だけに囚われず、建物の内容/値段も加味して慎重に選ぶようにしましょう。
知らなきゃ損:市街化調整区域の注意点
気に入った土地が市街化調整区域だった場合、「せっかく購入しても家を建てられなかった」「手続きで余計な手間や費用がかかってしまった」といった問題が発生する可能性があります。
購入後のトラブルを避けるため、市街化調整区域を購入する場合、以下についてしっかり事前に確認するようにしましょう。
①不動産会社に対して、建物を建ててもいい理由を確認する&その証明書を発行してもらう(建築申請時に必要)
②建築申請時に万が一建物を建てられないと言われた場合、土地売買契約自体を白紙に戻せる旨、土地売買契約書に記載してもらう
最後に
いかがでしたでしょうか?
ここでは土地探しを始める前に、これだけは知っておいて欲しい情報を紹介しました。
次の記事では、実際の土地探しの進め方について説明していきます。
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